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  • 2016.02.06

    治るチャンスを自ら遠ざける4つのキケンな考え方

    小さなヨットで太平洋を横断した冒険家、堀江謙一さんはいいます。

    「チャンスの女神は平等ではありません。しかし、(チャンスを)つかむか逃すかの選択は平等に訪れる」

    そうなんです。すべての人に同一のチャンスが訪れるわけではありません。しかし、やってきたチャンスをつかむ人もいるし、逃す人もいます。他の誰でもない、自分自身でその選択を行っているんですよね。

    対人恐怖症、視線恐怖症、脇見恐怖症を治すチャンス、これはヨットの冒険とは違い、女神が微笑んだ一部の人にのみ与えられるものではありません。間違いなく私たちすべてにそのチャンスがあります。
    でも、残念なことに、そのチャンスを自ら遠ざけてしまうキケンな考え方があるんです。これはかつての僕自身のことでもありますが、恥をしのんでここに紹介しましょう。
    あなたにあてはまるものはありますか?

    ①「カンペキに治らなきゃイヤ、ゲキテキに治らなきゃイヤ、すぐに治らなきゃイヤ」

    今すぐに、カンペキに治したいって思うことはあると思います。ですが、それが得られない限りは改善に向けて取り組もうとしなかったり、取り組みをすぐにやめてしまったりというのはちょっと残念です。
    そもそも、カンペキに治るってなんでしょう。対人場面が全く気にならなくなることでしょうか。実は、そんな人はいません。逃げなきゃいけないような本当に危ない場面だってありますしね。対人緊張を測定する、ある心理検査があります。点数が高いほど対人緊張が強いことがわかります。対人恐怖症の人は30点満点のところ、28点くらいのスコアを出します。では、一般の人は何点か。ゼロ点じゃないんです。15点くらいなのです。つまり、程度の問題なのです。28点からいきなり一日のうちに15点にはいきません。26点だったり20点だったり途中のプロセスがあります。この途中段階すら嫌だったら、どうにも対処できません。

    ②「治ってから前へ進もう」

    カンペキに治らない限りは人とのつながりを持ちたくない、チャレンジしたくないって思うことってあるかもしれませんよね。僕もそうでした。でも、この考え方自体が、「他者からの否定的評価」や「失敗」を過度に恐れています。「治らない限り前に進めない」という発想自体が、皮肉にも症状を長引かせる要因になっているのです。確かに症状が何らかの制約になっていることはあるかもしれません。でも、できることってゼロじゃないですよね。いまできる部分、ちょい頑張ればできそうな部分は前に進めましょう。それでこそ「悲劇の引き寄せの法則」をストップさせることができるのです。

    ③「何をやったってどうせうまくいかない」

    確かにこれまでうまくいかなかったことがあるのかもしれません。期待したのに思ったような効果が出なかったことがあるのかもしれません。そりゃ勇気はくじかれます。「うまくいくから大丈夫だよ!」とポジティブな声がけされても素直には心に響かないですよね。
    「次は絶対うまくいく!」と無理に思わなくてもいいです。せめてこう考えてほしいと思います。「うまくいくかいかないかはやってみないとわからない」って。だって客観的に考えればこれが真実ですもんね。そして仮に期待したような効果がすぐにはでなかったとしても「その中でも比較的うまくいった部分ってなんだろう?」「じゃあ他にはどんなやり方があるかな?」と自分の脳に繰り返し問いかけてください。すると脳が勝手に答えを探し始めるはずですよ。

    ④「そんなわけで行動するのはやめておく」

    最もキケンな考え方(行動?)です。①から③の考え方にはまってしまった結果、この4番目の結論に至ることは多いかもしれません。もちろん、疲れ果ててしまったときはまずは休んでください。その上で、ちょっとずつでもいいので行動してみましょう。
    ビリーフは経験によって作り上げられます。そして新しい経験によって書き換わっていきます。「人とのつながり=こわい、うまくいかない、つらい」とのビリーフが何かのきっかけで出来てしまったかもしれません。が、別の経験をすることで書き換えることができるのです。
    いつもと同じことをしていれば、いつもと同じ結果になるのはまあ当然です。いつもと違う行動をとるからこそ、そこではじめて違う結果が生まれる可能性が出てきます。
    ビリーフは適切な方法により書き換えることができます。そのチャンスをいつまでも先送りしていたら、いつまでたっても治るわけないよ!って、当時の自分に声を大にして言いたいです。

    もっとも、これらの考え方を持っているからといって落ち込まないでください。今の状況の中ではどうしてもこう考えてしまう部分ってあると思います。別にサボっているわけじゃないですもん。

    ある意味、治るというのは、これらの考え方が緩んでいくプロセスなのかもしれません。こういった考え方にはまってしまったときは、
    「あ、チャンスを遠ざけるキケンなやつだ!」とまずは気づいてあげましょう。そこからすべては始まります。

    当コーチング&カウンセリングオフィスでは、これらの考え方を緩めつつ症状からの解放を目指していくプログラムを提供しています。他にも相談先はたくさんあるかもしれません。必要に応じてこういったものも活用しながら、自由で苦しみの少ない人生を手に入れてください。
    応援しています。

    最後に堀江謙一さんの言葉をもう一度。

    「チャンスの女神は平等ではありません。しかし、(チャンスを)つかむか逃すかの選択は平等に訪れる」

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